ペットのレシピずかん:コラム

ヒトとおいしさ

ヒトとおいしさ

ここではあえてペットではなく、これから人間の食べ物の話を書いていこうと思います。
というのも、よくよく考えてみると、有史 以来、ペットはヒトからのおすそわけを食べて暮らしてきたからです。
つまり基本的に、イヌもネコも、私たち人間と同じものを食べてきたわけです。
それが決 して、ペットにとって悪いものではなかったからこそ、いまなお、つきあいは続いているのだ、と言えるでしょう。
イヌもネコも人間も、同じ哺乳類です。最新 の遺伝子研究(DNA研究)では、大きな差異がないこともわかっています。
ヒトの食べ物について改めて考えることは、ペットの食べ物について考える参考に もなるのではないでしょうか。

さ て、動物を見てうらやましいと思うのは、「食べられるもの」を本能的にかぎわける能力をもっていることです。
野原をイヌと散歩すると、それがよくわかりま す。
対して人間は、外見や匂いからはなんの判断もできません。
毎年、春になると、トリカブトを山菜のニリンソウと間違えて食べる事故が起きるくらいです (トリカブトは根に猛毒をもちますが、芽や葉にもアコニチンなどのアルカロイドを含有しており、中毒を起こします。ニリンソウとトリカブトは花を見ないと 区別がつきにくく、事故が多いのです)。

そ のかわり、人間は「おいしさ」を感じる能力をもちました。
舌の味覚センサーである味蕾の数は約1万個。対してイヌは、約2000個しかありません。
どんな ものを「おいしい」と感じるかを考えてみると、この味蕾の数の差は、失われた本能の代償のように思えてなりません。
「食べられるもの」を嗅ぎわける能力を 失ったかわりに、食べ物のおいしさを感じるようになったのでしょう。